部屋を借りる時の名義貸しのリスクとやってはいけない理由

部屋を借りる時の名義貸しのリスクとやってはいけない理由 賃貸術
記事内にプロモーションが含まれています。
くろやぎ
くろやぎ

友達から「アパートを借りたいけど入居審査に通らないから名前を貸して欲しい」って言われたんだけど、何か注意することってあるんだろうか?

あかねこ
あかねこ

アパートを借りる際の名義貸しは後々トラブルになる可能性が高いし、名前を貸す側にメリットがないからやめといた方がいいよ。

 

アパートの入居審査が通らない人の代わりに契約名義人になってあげる(自分の名前を使わせてあげる)行為のことを名義貸しと言います。

この名義貸しをしてもらえないかと提案されることがあるかもしれませんが、いくつものリスクがありますので決して軽い気持ちでやってはいけません。

「名義貸しの相談をされたけどどうしたらいいんだろう?」と悩んでいる方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

名義貸しは契約違反

アパートの賃貸借契約は契約者自身が借りた部屋に住むための契約です。

契約で特別に認められている場合以外で名義貸しをすると契約違反になってしまいます。

 

大家さんや管理会社に内緒で勝手に第三者を部屋に住ませるような行為はトラブルに発展する可能性が非常に高く、あなた自身の社会的な信用すら失ってしまう可能性があるので絶対にやってはいけません。

名義貸しのリスク

部屋を借りる時の名義貸しは名前を使わせる側とってかなり大きなリスクが2つあります。

  1. すべての責任を負わされる
  2. 名前に傷がつく

すべての責任を負わされる

名義貸しをすると名前を貸した側が契約上のすべての責任を負うことになります。

いくら「名義を貸してただけだ」と主張したところで契約名義人があなたであれば責任から逃れることはできません。

 

主に問題になってくるのは次の3つです。

  1. 家賃の支払い義務
  2. 退去時の原状回復義務
  3. 近隣からのクレーム対応

家賃の支払い義務

契約名義人になっているあなたには家賃を支払う義務があります

たとえ名義を貸してあげた相手方が家賃を支払わないようになったり、連絡がとれなくなってしまったとしても、あなたには家賃を支払う義務が残ってしまいます。

 

名義を貸してあげた相手方があなたの名前で家賃を振り込む約束になっていた場合でも、相手方があなたに家賃を預けてそれをあなた自身が振り込む約束になっていた場合でも、家賃の支払いが滞ってしまえばそれはあなた自身の家賃滞納として扱われてしまいます。

退去時の原状回復義務

退去時の原状回復についても契約名義人であるあなたに義務があります

部屋の使い方が荒くてボロボロになっていたり、内緒でペットを飼っていたりした場合には原状回復費用がかなり高額になりますが、契約名義人のあなたは大家さんに対して原状回復義務を負います。

 

かかった費用を相手方がきっちり負担してくれればいいですが、連絡がとれなくなってしまったりすれば全てあなたが支払わないといけないようになります。

近隣からのクレーム対応

入居者が部屋で騒いでいたりすれば近隣の方から大家さんや管理会社へクレームが入ります。

その後、そのクレームが契約名義人であるあなたへ届きます。

 

あなた自身が部屋に住んでいるのであれば「これから気をつけます!」で済みますが、あなたは名義を貸している相手方に「〇〇のクレームが入ったから気をつけて」と伝えたうえで守らせなくてはいけません。

 

クレームを相手方に伝えたとしても部屋からの騒音が改善しなけれあなたが悪者になってしまいます。

あなたが第三者をその部屋に住まわせている間のクレームはあなた自身が対応しないといけません

名前に傷がつく

入居者のせいで家賃滞納や近隣からのクレームがあった場合には、契約名義人であるあなた自身の信用を失いかねません。

あなた自身が自分の部屋を借りようとした時、保証会社の入居審査では過去の滞納履歴が邪魔をして審査に通りづらくなりますし、管理会社からは過去に問題を起こした人として見られてしまい契約を断られてしまう可能性があります。

 

名義貸し中に問題が起こった場合には名義を借りて実際に住んでいた人よりも名義を貸した(勝手に第三者を部屋に住まわせた)側が悪者になってしまいますので、名義貸しは自分の名前に傷をつけるリスクしかありません。

メリットを受けることができるのは何の責任も負うことなく住むところを確保できた人(名義を借りて実際に住んでいた人)だけということを十分に理解しておきましょう。

名義貸しが認められるケース

原則として名義貸しは契約違反となりますが、例外的に認められるものもあります。

それは親族の部屋を借りてあげる時で、大家さんの承諾を得るのが大前提です。

具体的には

  • 大学生の子供の部屋を親名義で契約する
  • 高齢の親の代わりに子供名義で契約をする

といった場合です。

 

大家さんにしても無職の子供や年金生活をしている親の名義で契約をするよりも、現役で仕事をして安定した収入があって、仮に入居者が問題行動を起こした場合であっても責任をとってもらえそうな関係性の人に契約してもらう方が安心できるので契約の承諾をもらいやすくなります。

まとめ

アパートを借りるときの名義貸しは名前を貸す側に全くメリットがなく、何の責任も負うことなく住むところを確保できた側だけが得をするという理不尽なものです。

 

名前を貸す側には

  1. 家賃の支払い義務
  2. 退去時の原状回復義務
  3. 近隣からのクレーム対応

これらの責任がのしかかってきます。

 

親族間でもなく、何があっても全責任を負うという覚悟がないのであれば絶対に名義貸しなんてするべきではありません。

軽い気持ちで名義貸しをしてしまうと将来的にあなたが自分で住む部屋を契約する際にも影響が出る可能性があるので、大家さんの承諾を得られないような行為ははっきりと断るようにしましょう。

コメント